十千しゃなお 電子書籍 オススメ

電子書籍。その中でも素人さんの作品を紹介するサイト。だったはずが最近は全く紹介出来ていないサイト

昨日ぶりです。
十千しゃなおです。
今日の話題はウマ娘でも小説でもなく、ガルバンです。


あ、無料キャンペーンが始まったみたいなので、一応そっちもチラッと。

今日から5日間です。よろしくどうぞ。


そして本題。
面倒くさい時間がないのでこっちも手短に。

今日買ったFINLANDSのPAPERというアルバムがよかったです。
七月五日に新譜が出るらしいので、楽しみです。
ボーカルがとてつもなくキンキンしているので、それが平気な人にはオススメです。
paper
FINLANDS
ハピネット
2016-07-13



七月五日といえばvivid undressの新譜も出るので楽しみ楽しみです。

お久しぶりです。
十千しゃなおです。
今日はウマ娘関係ないブログなので、そういうのが読みたい方は申し訳。
一応、このブログのタイトルに書いてある通り、電子書籍、主にセルフパブリッシングがメイン?なので。
ウマ娘関係で色んな方と交流を持ち始めたこのタイミングだと、なんか販促めいてると思われそうで、本意ではないのですが、まぁ、しょうがないですよね。そんなこと言ってたら、この先ずっとウマ娘のことしか書けないですし。

というわけで早速。
今年出版していた『三月彩七さんの優しい世界』ですが、7月20日でkdpセレクトが切れるみたいなので、その前に残っている無料キャンペーンを全部使ってしまおうかと(本当は4月でセレクト切るはずでしたが、自動更新されてました)
それに合わせて、カクヨムのほうに持ってこうかなと。本当は、ついでにBookWalkerのほうにも出して、プライスマッチさせたかったのですが、何故かBookWalkerだと出版出来なかったので、それはやめます。面倒くさい……。

どうして今更こんなことをするかというと、すごく単純な話で、書きたいことが出来たからです。楽しくなりたい、ただそれだけです。以上。

一応、今回の無料キャンペーンやカクヨムのほうに持ってくにあたって、ちょっと胡椒とかふってみました。ぱらぱらーって。多少ね。掛け合いを増やすとか、そんな感じに。優しい世界にちょっと山椒みたいな。

それで、無料キャンペーンはいつからにしましょうか。金曜? 金曜で。
カクヨムにはどうしましょう。セレクト中は確か10%までしか載せちゃダメだった気がするので……、いーや、めんどくさい。今日もう10%は載せます。あとはセレクト切れてから流れでって感じで。はい載せました。続きは20日からで。



・カレー


 三月彩七さんの世界は今日も優しい世界でした。

 夕暮れ時。
 シェアハウス三月自慢のコックさんである彩七さんは、学校から帰るとすぐに制服から着替え、エプロンをまとい、夕飯の準備を始めました。今日のメニューは、烈火さんリクエストのシーフードカレーです。
(私はチキンカレーが好きなんだけど……)
 エビの殻を剥きながら、彩七さんは思うことがないわけではありません。もっと言ってしまえば、カレーよりもハヤシライスのほうが好きです。
 ですが、リクエストはリクエストです。料理上手な彩七さんは、いつでも自分の好きなハヤシライスを作ることが出来ます。が、料理下手な烈火さんにはシーフードカレーなんて作れるはずもありません。
 こうして住民から料理をリクエストされることは多々ありましたが、彩七さんは一度も苦に思ったことはありません。自分の腕を信用してくれている証と思えば、悪い気もしないのです。
(献立を考える手間もはぶけるしね)
 そんなことを考えながらエビの殻を剥いていると、

「あーちゃん」

 唐突に香さんが後ろから抱きついてきました。

「香? 今、磯臭いよ?」
「湘南の香り」
「このエビはインドネシア産だって」
「マングローブ?」
「そういうこと」

 他愛のない会話をしながら、手を動かし続けます。手が汚れてしまっているので、香さんを振り払ったりせずに、そのままで。
 すると、香さんは構ってもらえなくて気がそがれてしまったのか、不意に彩七さんから身体を離しました。

「あーちゃん」
「んー?(イカは国産だよ?)」
「手伝う」

 パーカーの袖を捲り、水道で手を洗い始める香さん。唐突な行動ではありますが、彩七さんに驚きはありません。それは彼女がほとんどのことに驚きを見せないちょっと頭のおかしな女の子だからではありません。
 たまーにあることなのです。香さんが料理を手伝ってくれることは。たまーにですが。たまーに。

「じゃあ、そこのボウルの中に使う野菜を入れてあるから、そこにあるタマネギ刻んでもらっていーい?」

 手先が器用だからでしょうか。料理経験のわりに包丁使いの上手な香さんに、タマネギのみじん切りをお願いします。

「御意」

 と頷いて香さんは包丁とまな板を準備し始めましたが、野菜の入ったボウルを見やると、少しだけ引きつった顔で固まってしまいました。

「あーちゃん……」
「んー?(背わた取るのって結構楽しいんだよねぇ……)」
「ニンジン」

 嫌そうに顔を背け、ボウルの中を指差し訴えます。そう、ボウルの中には彼女の大嫌いなニンジンが入っていたのです。

「リクエストなんだよね」
「ゴンちゃんの? ゴンちゃん、嫌い」
「ううん、ドラさんじゃないよ」
「じゃあサッキュン? サッキュン、嫌い」
「ううん、八美夜さんでもないよ」
「……まさか、はーちゃん? はーちゃん、嫌い」
「残念。お姉ちゃんでもないよ? 正解は香のお母さん」
「ママ? ……ママは好き」

 流石に香さんはいい子です。いくら嫌いなニンジンのこととはいえ、冗談でもお母さんの悪口は言いません。色々と誤解されやすい香さんですが、根は普通のいい子なのです。

「この間お願いされたんだけど、食べられるようになって欲しいんだってさ」
「食べれないのに? ママもパパも」
「だからだったり?」
「……ズルい」

 香さんがぷくっと少しだけほっぺたを膨らませるのも無理はありません。自分を棚に上げた理不尽なリクエストですから。

 ですが、離れて暮らしていても自分のことを気にかけてくれている……そう考えればお節介には感じても悪い気はしないのではないでしょうか? 現に、香さんはどうすればいいのかと困ったような顔をして、じーっとニンジンを見つめています。

「ニンジンのどこが嫌いなの?(味は意外とあってないようなものだと思うけど)」
「似合わない。食べてる自分が嫌い」
「えー? じゃあ誰が似合うの?」
「……姫ちゃん」
「モモぴょん? ……ぴょんだから?」
「ぴょんだから」
「なるほどね(ぴょんだもんねぇ)」

 ふわふわとした理由にうんうんと頷きますが、彩七さんには策がありました。

「でも、大丈夫だよ」
「……?」
「そのニンジンはルーに溶けるまで煮込むつもりだったから。入ってるって知らなかったら平気かなって」
「確かに。……かに?」
「蟹?」
「知ってしまった。ニンジンの事実、今」
「あー。じゃあ、どうしよっか?」

 そのニンジンを入れるのか。入れないのか。
 判断を香さんにゆだねます。
 誰だって嫌いなものは食べたくありません。香さんだってそのはずです。しかし、お母さんの気持ちを知ってしまったからでしょうか。香さんはニンジンを見つめたまま眉間に皺を寄せ、思い悩むのでした。
(まぁ、どっちに転んでも私はいいんだけど……)
 どうするのかな?と彩七さんが見守る中、香さんはニンジンを手に取ると、ぐるりと台所に背中を向けました。

「? どこに行くの?」
「学校。ウサギたちが呼んでいる」

 彩七さんたちの学校ではウサギなんて飼ってはいません。ですが、彩七さんは嘘を看破することも引き留めることもせず、ニンジンを手に脱兎のごとく逃げていく香さんを見送りました。バタンと玄関から音が聞こえてきたので、どうやら本当に外に出て行ったようです。

「あらあら? いいのぉ? ニンジンを取られちゃってぇ」

 リビングのほうからはクスクスと春七の笑い声が聞こえてきました。ソファーに腰掛ける彼女の右手にはお猪口があり、テーブルの上には空になった徳利が並べられています。17時からあとは大体いつもこんな感じです。

「大丈夫。平気平気」
「ニンジンを入れないつもりぃ?」
「ううん。冷蔵庫にまだニンジンあるし」
「あらぁ。それじゃあ香ちゃんに知られずに済んじゃうわねぇ。彩七ちゃんたら人が悪いわぁ」

 考えたわねぇと笑う春七さんの声を聞きながら、彩七さんはイカの綿取りに勤しむのでした。
(ちゃんと持って帰ってきてくれるかな?)

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