十千しゃなお 電子書籍 オススメ

電子書籍。その中でも素人さんの作品を紹介するサイト。だったはずが最近は全く紹介出来ていないサイト

2014年03月


最近、ふと思ったんです。
十千の作品て【○○なのに○○していない】パターンが多いなって。
じゃんけん小説なのにそこまでじゃんけんしていない『じゃんけんしようよ』とか。
部活動ものなのに部活動しない『SSクラ部へようこそ』とか。
川で遊んでいる表紙なのに川で遊んでいる描写はそんなにない『じゃんけんしようよ Spring&Summer』とか(近日公開)。

……ちょっとよろしくないですね。 
タイトルで言っていることぐらい守らないと!
名は体を表すって言いますし!

というわけで(!?)先週の金曜日からラジオ再現系ノベル『わたしと!あなたの?声春ラジオ2』の連載を行っています。
週二回更新ですが、よろしければどうぞ?


……中身ないですね今日のブログ。いつになく。



あ、近日中に『SSクラ部へようこそ』の表紙が差し替わります。
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これが
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こうなります。
ちょっと暗い感じだったので明るくなりました。
差し替わり次第、またご報告させていただきます。 

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放送前記①

 四月の終わり。まだ地面に残っていたしぶとい桜の花びらを避けながら歩く。
 あたし、己己己己己己己(いえしききなこ)は街灯に照らされながら一人自宅へと歩いていた。いつもより足取りが軽いのは、きっと機嫌がいいからだ。別にゴールデンウィークだから浮かれているわけではない。
 今日はあたしの誕生日。歳がまた一つ増えてしまったので、それ自体は嬉しくない。むしろ若干凹む。最近は母親が「己己己はいい人いないの?」と五月蠅い。いたら既に結婚している……はず。いや、やっぱり無理か。
 ともかく。歳を取ることが好ましくないとはいえ、誰かに祝ってもらうのは嬉しい。今日は収録が終わるとサプライズでケーキがプレゼントされ、そのまま飲み会へと発展した。少し飲み過ぎたのか、酔っ払ってる自覚はある。影の薄い主人公からモノローグを奪ってしまうくらいには酔っている……って、何言ってるんだあたしは?
「……もう十時か」
 時間を確認する為にスマホの画面を見て、小さくため息を漏らす。夕方四時くらいから飲み始めたから、五時間以上ドンチャン騒ぎをしていたことになる。
「時間ヤバいかもな」
 別にそこまで遅い時間ではなかった。大体、あたし明日午前中オフだ。問題はあたしではなく、あたしの家に来ているだろう未成年。
 一年前から一緒にラジオをやっている咏ノ原清恵。
 何を考えているのかわからなくて、空気を読もうともしない素直すぎる高校生。
 冷静に考えれば面倒なやつだと思うが、不思議とつるむようになっていた。どうしてそうなったのかは覚えていない。ただ、一つ確かなのは、週に何度か清恵が家に来るようになったということだ。親子ほど歳が離れているというのに。
 確か今日は清恵が家に来ることになっていた。約束をしているわけではないが、毎週この曜日はあたしより早く家に来て、勝手に家の中で待っているのだ。合い鍵を使って。
 今日はあたしの誕生日。まず来ていると考えて間違いないだろう。料理上手の清恵のことだからご馳走を用意しているに違いない。
「……今日は泊まりかな」
 エレベーターに乗りながらポツリと漏らす。清恵と一緒にいると、どこか達観しているので忘れてしまいそうになるが、あいつは未成年だ。これから一人で帰らせるなんて危なくて出来ない。車で送ろうにも今日のあたしはアルコールまみれだし。
 まぁ、いいか。明日、午前中オフだし。あいつも明日は土曜日だから学校ないだろうし。仕事はわからないけど。
 アルコールでお花畑な頭で適当に考えながら、自宅のドアに手を伸ばす。
「ただいまー……って、あれ?」
 玄関に足を踏み入れた瞬間に違和感に気づく。
 靴がない。
 あたしのではなく、清恵の靴が。
 あいつが置きっ放しにしている靴はあるが、今日履いてきた分の靴がないのだ。
 いくら清恵が変わりものだからといって、裸足で来るはずがない。何だかんだであいつは常識人だ。融通は利かないが。
 帰ったのかな……とも思ったが、油断するのはまだ早い。あたしはついこの間のエイプリルフールで清恵に騙されたばかりだ。あいつがあれに味をしめて、あたしを驚かせようと靴を隠して待機している可能性も0ではない。
 あくまでも自然を装いながら、全神経を集中させて廊下を歩く。どのタイミングでどこから清恵が出てきても、平然とした態度で「ああ、知ってたよ」と返す為に。
「清恵ー?」
 まず、リビングに足を踏み入れる。ここにはいないか。
 次に寝室を探す。ベッドやクローゼットの中も入念に探すが、清恵の姿は見当たらない。
 次は和室。ここはそもそも物が少ないから、ふすまを開けて入った時点で誰もいないことがわかる。
 その他にもお風呂場やベランダを覗いたり、帰宅してから五分ほど清恵の姿を探したが、結局清恵の姿は何処にも見つからなかった。
「あれ……? 今日、来る日だよな」
 流石に曜日を間違えるほどアルコール漬けになってはいない。
 思わず首を傾げる。
 すると、食卓の上に書き置きの手紙を見つけた。パソコンで打ったんじゃないかってくらい無機質で可愛げのない字。それは紛れもなく清恵の字だった。
「えーと、何々……明日のイベントの為に前日入りしなくてはならないので、今日は料理だけ作って帰らせていただきます。タッパーに小分けしたものを冷蔵庫に入れておいたので、温めてお召し上がりください。ちゃんと茸も食べてくださいね?……か」
 そういえば、あいつ北海道の方に呼ばれたって言ってたっけ? いつあるか聞くの忘れてたけど。
 この手紙によって清恵の不在が確定したわけだけど、少しだけ面白くない。
 別にあいつが帰ってしまったことに不満があるわけじゃない。あたしだっていい歳だから、スケジュールに穴を空けるわけにはいかないってこともわかってる。そんなことしたら、どんな売れっ子だろうと例外なく干されてしまう。声優業界は信用が第一だ。
 不満なのは清恵の不在ではなく、あいつが残していった書き置きの文面だ。
 おめでとうの言葉がないどころか、あたしの誕生日に一文字も触れていない。
 もしかしたら急いでいたのかもしれないけど……それはそれで、何でも涼しい顔して済ますあいつらしくないっていうか。
 何を作っていったのか冷蔵庫を開けて確認してみるが、透明のタッパーに入っているのは、八宝菜やカレー、エリンギの炒め物等……全然誕生日らしくない料理ばかり。
 お菓子作りが得意な清恵なら、ケーキの一つでも焼いていても不思議じゃないのに、冷蔵庫に甘いものは何もなかった。
 あれ? ……ひょっとしてあいつ、あたしの誕生日だってわかってない?
 まさかの可能性にドッと疲れを感じた。
 誕生日の夜に部屋で一人きり。こんなことなら朝までみんなと飲んでくればよかったなぁ。
 お酒を飲んでいるからか。それとも三十歳を超え、女として若くなくなったからか。あたしは少しだけ寂しいと思ってしまった。
 今から後輩を呼び出して飲みに行くのもなぁ。仕方ないからテレビでも見ようかね。
 冷蔵庫から発泡酒のロング缶を二本取りだし、ソファーに腰掛ける。リモコンで液晶テレビの電源を入れると固っ苦しいニュース番組が画面に映った。
 ニュースって気分じゃあない。
 何か面白い番組でもやってないかとチャンネルを次々変えるも、あるチャンネルはホラー系の映画だったり、あるチャンネルは救命病棟のドキュメンタリーだったり、あるチャンネルは大人の恋愛ものドラマだったり……あたしの見たい種類の番組はどこにも流れていなかった。
 あーもう、違うんだよなー。もっとドンチャン騒ぎしてるアホみたいな番組やってないのかよ。
 もしかしたらあたしは拗ねているのかもしれない。三十過ぎのいい大人が。十代の女の子のせいで。
 ……こうなったらふて寝でもしてやる。
 テレビをつけたまま、ソファーに仰向けに寝転ぶと。何かが後頭部に当たった。
「ん?」
 上体を反らして見上げるように自分の頭に当たったものを確認すると、いつも清恵が座っている、ソファーの端の方に、鮮やかな包装紙と赤いリボンで綺麗にラッピングされた長方形の小さな箱を見つけた。
「なんだこれ?」
 起き上がり、その箱を膝の上に置く。リボンと箱の間に何やらカードが挟まっていたので、抜き取って裏返すと、そこには[HappyBirthday]の文字が印刷されていた。
 今日の飲み会で誕生日プレゼントをいくつかもらったけど、まだ鞄の中から出していない。それにあたしはこんなところに何かを置いた覚えはない。
 ということは……泥棒でもない限り、この家に入れるのは清恵しかいない。
「……なんだよあいつ。ちゃんと誕生日だってわかってんじゃん」
 ぶつぶつと文句をこぼしながら、顔が勝手にニヤけてしまうのを抑えつつ、あたしは丁寧にリボンを解いた。



今日、ライトなラノベコンテストの結果が発表されたそうです。
受賞者の中には見知った人もいて。
いいなぁ、自分も出しておけばよかったなぁ……
とは思いませんでした!!!

う、羨ましくないもんね!とかではなく。
あんまり好きじゃないんですよね。あとからそういうこと思ったり、言ったり。
捕らぬ狸の皮算さんをするのは好きですけど。夢があるから。
やって結果が出るかはわかりませんが、やらなきゃ結果は出ないんです。

このコンテストは初めての試みですので、これから本番だと考えています。受賞者が決まってからが本番です。
【賞】ですので、格を持たなければならない。その格を作るのは今回受賞された作品。
つまり、これからもこのコンテストが続いていくかどうかは受賞者の皆さんにかかっていると言っても過言では……過言ですかね?
今回受賞出来なくて「悔しい!」とか「次こそは私が!」って思った人は出来るだけ、受賞者の応援をしてあげてください。RTぐらいでも大きな力。
コンテストを大きく出来るかどうかは参加した皆さんにかかっていると言っても過言では…… ないと思います。


とか、真面目なことも言ってみたり。
キャラじゃないですね。

というわけで(?)、明日からまた連載始めましょうか。 
『じゃんけんしようよ』の新刊もそろそろ出します。
……あ。

ララノコン特別賞の方
と過去にコラボさせていただいた『じゃんけんしようよ』シリーズの新刊もそろそろ出します。 

どれくらいぶりですかね。連載じゃないブログ。十千しゃなおです。

先日、『SSクラ部へようこそ』の連載が無事(?)終わりました。読んでいただいた方、RTしてくださった方、皆さん本当にありがとうございました。
初めての、えー、えー、書き下ろし?でいいんでしょうかね? 書き下ろし連載ということで、至らぬことは多々多々多々々ありましたが、貴重な体験が出来てよかったです。 毎日連載をやる機会なんて普通に生きてりゃそうそうないですからね。

毎日連載をするに辺り、今回注意したことは連続性を出来る限り薄くすることです。連載って言ってるのにおかしな話ですが。
どうしてそうしたかと言いますと、毎日連載ともなるとどのタイミングで読み始めるのかわからないんじゃないかなと思ったからです。例えばRTで回ってきたから6話くらいから読むとか。久しぶりにブログを覗いたら何かやってるので22話から読むとか。
そうなったときに、あまりに連続性がありすぎるとついていけないんじゃないかなって。少なくとも、連続性の濃い話でついてこさせる技量は十千にはまだまだないので。
それに連続性をなくすことは書く分には楽ですし。 

ちなみに『SSクラ部へようこそ』は早速KDP本になりました。
SSクラ部へようこそ
十千しゃなお
2014-03-22

(何故かブログ掲載分より三話分くらい文字数が増えています。別にあとがきがやたら長いわけではありません。何故かブログ掲載分より三話分くらい文字数が増えています。というか、ブログ掲載だけで56,000字とかあって軽くびっくり)
こちらは無料キャンペーンをやる予定ありません。ブログにほぼ全文載せており、KDPセレクトに登録出来ないので。端的に言うと無料キャンペーンをすることが出来ないんです。

うーん……でも、最近無料キャンペーンやってないのでちょっと寂しかったり。
というわけで(?)今月中に『じゃんけんしようよ』の短編集をリリースする予定ですが、その際に『じゃんけんしようよ』本編の無料キャンペーンを行いたいと思います。まだ詳しい日時は決めていないので、また後日ご連絡させていただきます。


『SSクラ部へようこそ』は初めての書き下ろし連載ということで十千の中で特別な作品になりました。
『自殺喫茶』も初めて書いた作品なので特別。
『落語り帳』も色々なきっかけをくれた作品なので特別。 
『わたしと!あなたの?声春ラジオ!?』のおかげで、書けなくなっていた時期が終わったのでこれも特別。 
『じゃんけんしようよ』は大好きな漫画【みどりマキバオー】に憧れて書いた作品なので特別。
電子書籍をつくっていると、どんどん特別が増えていくような気がします。 

三月は幸せな月だったような気がします。
Amazonレビューがついたりだとか。
Kindleアプリで本棚を作っていただいたりだとか。 
それと、もう一つ、とても大事で、とても嬉しいことがあったのですが、それはまたいつかの機会に。 人生的にとても大きな話だったのですが、今はまだメンタル的に話せる状況ではないので。

えーと、あとなんか書くことあったっけな……。
あ!次の連載ですが、火曜日と金曜日、週二回更新になる予定です。
今回は毎日連載ではありません。毎日連載は隔月じゃないと十千には無理ですね。書き貯めしないといけないので。
大体、週二連載のやつも最後まで書き終わってないですし。KDPセレクト用に小説書きたいですし。あ、あと群雛さんに新作載せたりしたいですし。
自分で課しているだけなので完全に自分のせいですけど、なかなかのハードスケジュール。
楽しいことで忙しいのは嬉しいですね。 
……って書くと、常に暇なニートみたい。そんなことはないです。それなりにお勤めで外出してます。 

過去分はこちらから。
『SSクラ部へようこそ』① 『SSクラ部へようこそ』② 『SSクラ部へようこそ』③
『SSクラ部へようこそ』④ 『SSクラ部へようこそ』⑤ 『SSクラ部へようこそ』⑥ 
『SSクラ部へようこそ』⑦ 『SSクラ部へようこそ』⑧ 『SSクラ部へようこそ』⑨
『SSクラ部へようこそ』⑩ 『SSクラ部へようこそ』⑪ 『SSクラ部へようこそ』⑫
『SSクラ部へようこそ』⑬ 『SSクラ部へようこそ』⑭ 『SSクラ部へようこそ』⑮ 
『SSクラ部へようこそ』⑯ 『SSクラ部へようこそ』⑰ 『SSクラ部へようこそ』⑱ 
『SSクラ部へようこそ』⑲ 『SSクラ部へようこそ』⑳ 『SSクラ部へようこそ』㉑
『SSクラ部へようこそ』㉒ 『SSクラ部へようこそ』㉓ 『SSクラ部へようこそ』㉔
『SSクラ部へようこそ』㉕ 『SSクラ部へようこそ』㉖ 『SSクラ部へようこそ』㉗
『SSクラ部へようこそ』㉘ 『SSクラ部へようこそ』㉙ 『SSクラ部へようこそ』㉚
『SSクラ部へようこそ』㉛ 『SSクラ部へようこそ』㉜ 『SSクラ部へようこそ』㉝
『SSクラ部へようこそ』㉞ 『SSクラ部へようこそ』㉟ 『SSクラ部へようこそ』㊱


Choose Me!

「で、だ。大事な話を聞くぞ? アキラ」
「何でしょうか?」
 一つのソファーに集まり、みんなで楽しくデートの思い出を語っていると、不意にハルナさんの表情が真剣なものに変わった。何だろう。
「誰とのデートが一番楽しかった?」
「誰との……?」
 回答に困る。みんなとの休日はどれも楽しくて、そんなこと考えたこともなかった。
「優劣をつける必要はあるのでしょうか?」
「劣をつけるわけではない。優が知りたいというだけだ」
「しかし、思い出を比べるような真似はナンセンスだと思いますよ」
「その通りネー。思い出はメモリー。美しいビューティフルヨー」
「自分もアキラ先輩と同意見です」
 僕の言葉にレミィもリンさんも頷いてくれる。思い出に順位をつけても得はない。
 二人が味方についてくれれば、ハルナさんも納得してくれるだろう。
 と、思ったのだけど、
「……でも、それとこれとは別の問題ネー!」
「頭で理解は出来ても、気になることには変わりないですし!」
 まさか二人がハルナさん側につくとは……。どうしてレミィとリンさんが乗り気なのかわからない。でも、これでハルナさんが調子づくのは間違いないだろう。
「さぁ、アキラ。誰がよかったか答えよ。当然、わたしとの大人なデートだろう?」
「違いますよね、アキラ先輩? 自分との動物園デートですよね?」
「ノンノン。レミィとのはんなりのんびりデートに決まてるヨー」
 みんな僕の方にずいっと顔を寄せて尋ねる。
 ハルナさんもリンさんもレミィも自信たっぷりといった表情。
 みんなとのデートはどれも楽しかったので、みんな自信があるのは当然なのかもしれない。
 ハルナさんとのデートは、振り回されっぱなしで疲れるものだったけど、その分、退屈する時間は一切なかった。
 リンさんとのデートは、二人だけで遊ぶことが初めてのことだったので、僕たちの距離を縮めるには有意義な時間だった。
 レミィとのデートは、普段二人で遊ぶときと何も変わらなかったが、気を遣う必要がなくて一番リラックスすることが出来た。
「そうですね……」
 みんなの目が真剣すぎるので、僕も薄く唇を噛んで真剣に考える。誰が一番かは決められないから、一番に選ばれなかったら誰がどんなリアクションをするのかを。
 ハルナさんは……ものすごい怒られて、ものすごいふてくされて、ものすごい面倒くさそう。
 リンさんは……気にしないと言いながら、涙目になってしまいそうでちょっと後味が悪い。
 レミィは……そんなに気にしなそう。でも、選ぶのは一人だから、選ばれない人が二人いるわけで。
「わたしだよな?」
「自分ですし!」
「レミィが一番ネー」
 よくわからないけど、三人とも目が本気だ。どうしよう。誰が一番だなんて、やっぱり僕には決められない。
 ……こうなったら、話をそらさなくては。
「……そ、そういえば、まだプリクラの確認をしていないですね」
「む? ……確かに、言われてみれば」
「いいんですか? 確認しなくて。証拠に撮ってこいと言ったのはハルナさんですよ?」
「む……うむ。そうするか。皆、ちゃんと持ってきているだろうな?」
 多少強引に話題を変えた自覚はあったけど、ハルナさんの言葉にみんな頷いてくれる。
 三人が鞄を取りに行く間にホッと一息。どうやら上手くいきそうだ。
 まぁ、僕は三人全員とプリクラを撮っているので、確認しなくてもわかっているけれども。
「では、わたしから」
 ハルナさんが鞄から切り分ける前のプリクラを取りだし、テーブルに置く。
「わー! ハルナ先輩とアキラ先輩、何か、仲のいい[きょうだい]って感じで素敵です」
「やはりリンもそう見えるか! そうかそうか!」
 プリクラには腕を組むハルナさんと、高さを合わせる為に中腰になる僕が写っていた。それを見たリンさんのリアクションで、ハルナさんは上機嫌になる。
 ……うん。多分ハルナさんは気づいていない。リンさんが言いたいのは姉弟ではなく兄妹だということに。僕の目から見てもこのプリクラは、わがままな妹につきあう兄といった風に見える。いや、僕は女の子ですけど。
「じ、自分はこんな感じです……」
 今度は、恥ずかしがりながらリンさんがプリクラをテーブルに出す。
「Oh! 可愛いネー!」
 レミィが、僕にお姫様だっこをされて恥ずかしがるリンさんの写ったプリクラを見つめ、満面の笑みを浮かべた。反対に、どうしてなのか、ハルナさんは不機嫌そうに眉をひそめる。
「な、何故お姫様だっこなんてしているのだ!?」
「こ、これはアキラ先輩のアイデアで」
「リンさんと僕は身長差がありますからね。この方が収まりがいいと思ったので」
 顔を真っ赤に染めるリンさんの代わりに答えると、ハルナさんはあからさまに頬を膨らませた。
「ハルナさん。何かご不満でも?」
「身長差があると言うのなら、何故わたしのときはやらなかった? わたしはリンより小さいんだぞ?」
「ですが……ハルナさん、ジタバタ暴れそうじゃないですか」
「暴れるに決まっておろう! それも釣り上げられた魚の如く」
「だからですよ」
 腕の中で暴れられたら落としてしまわない自信はないし、落とされたらハルナさんは烈火の如く怒るに決まっている。その点、リンさんは大人しく、以前、リンさんがこの部室に拉致されてきたときにもお姫様だっこをしているので。リンさんは眠っていたので覚えていないとは思うけど。
 でも、どうしてハルナさんは怒っているのだろう? もしかしてお姫様だっこされたかったのかな。いや、まさか。子供扱いするなって怒られるに決まっている。うーん……ハルナさんは難しい。
「レミィのも見るヨー!」
 見て見てー、とレミィがプリクラを出す。自然体な笑顔でピースをする僕とレミィが写っていた。
「アキラ先輩とレミィ先輩は本当に仲良しですね。よく二人でプリクラ撮るんですか?」
「もっちろん。撮るときの立ち位置もちゃんと決まてるネー!」
 僕とレミィの場合はボディタッチをそれなりにするので、お互いの利き腕が相手に近くなるように、僕が左、レミィが右。これがいつのまにか定位置になっていた。
「……それで? アキラは?」
「え?」
 突然、ハルナさんに話を振られ、反射的に疑問符が飛び出る。僕?
「え?ではなく。プリクラを撮ってきてはおらぬのか?」
「いや、僕、三枚も写ってると思うのですが」
「何を言っておる。忘れたのか?」
 忘れた? いったい何を……?
「わたしは、女子高生らしくデートをしてくること、と言ったはずだぞ? この格好のどこが女子高生らしい?」
 ハルナさんが顎でテーブルの上のプリクラをさす。唯一、プリクラ皆勤賞な僕だけど、その格好は男物のパンツに男物のアウター。女子高生らしいと言うのは、ちょっと苦しいかもしれない。いや、僕はれっきとした女子高生ですけど。
「……僕を男役に任命したのはみんなでは?」
「む?」
 一瞬、何かを思い出すような素振りを見せ、ハルナさんはつまらなそうに鼻を鳴らした。
「……確かにそうだ。しかし、アキラだけがわたしの課題を守れなかったのも事実。違うか?」
「……つまり、何を仰りたいんですか?」
 いまいち釈然としない。確か、罰ゲームは何も決めていなかったはず。
「特別にお前だけ課題の期限を延ばしてやると言っておるのだ」
「期限を……?」
「ああ。わたしが男役を務めてやるから、来週までにデートをして、証拠にプリクラを撮る」
「はぁ……」
 よくわからないので生返事になってしまう。
 ……つまり、ハルナさんは本気で僕だけ女子高生らしいデートをしていないことが不満なのだろうか? うーん……うーん。
 まぁ、今週末の予定が今から決まったと考えればそれでいいかな。予定は何もなかったし。
 なんて、その程度の気持ちでいると、
「あー! ずるいネー! レミィも男役のやりたいヨー!」
「そうです! 自分も一度くらいやってみたいですし」
「え……?」
 思わぬ加勢が出てきて、またも勝手に疑問符が飛び出る。
 レミィもリンさんもそんなに男装したいのだろうか。だったら僕と普段の役割を代わってくれても……。
「……しからば仕方ない。アキラ、三人の中からお前が選べ」
「……僕が?」
 また僕に選ばせる……。やけに真剣なみんなの目を見ていると、何だかとても嫌な予感が。
「当然、わたしだよな?」
「ベストフレンドのレミィに首ったけヨー!」
「自分ですよね? アキラ先輩」
 みんな瞬き一つせず、僕に顔を近づける。
 あ、れ?
 おかしいな。誰を選んでも角が立ちそうだから話題を変えたつもりだったんだけどな……。

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これにてひとまず『SSクラ部へようこそ』は終わりです。長い間おつきあいいただき本当にありがとうございました。
終わり、と言っても1巻分が終わったというだけで、これからもちょくちょく書いていくつもりです。連載出来るように作った作品ですからね。

次にこのブログでひと月くらい連載する作品は
『わたしと!あなたの?声春ラジオ!?~歌う怪盗MAXコーヒー~(仮)』
になります。
久しぶりのラジオシリーズ!
これはまだ最後まで書き終わっていないので、若干やばいと感じているものの、まぁ、その場しのぎで書いていくのも連載っぽくていいかな、なんて思ったり思わなかったりで。
己己己己己己己と咏ノ原清恵のグダグダラジオをお楽しみくださいませ~。

ちなみにこちらは週2連載になります。曜日に関しては決まり次第お知らせいたします。

今回は『SSクラ部へようこそ』にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。 
SSクラ部へようこそ
十千しゃなお
2014-03-22

 ↑誤字があるので、すみません、少々お待ちくださいませ。

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