九月二十五日 雨

「私、人生諦めたんですよね」
思ってもいない言葉だった。あの子からそんな言葉を聞くだなんて。むしろ、人生を投げ出した私の口から出るべき言葉だった。
「本当? 私は諦めてないかな」
人生を投げ出したはずなのに。私は反対の言葉を口にしていた。けれど、それはあの子を元気づけるためにしたものではなく。見栄を張ろうとしたわけでもなく。素直に出た言葉だった。
人生を投げ出しておきながら、人生を諦めない。
一見しなくても、矛盾しているのかもしれない。でも、本心だと思う。



※他人事のような感覚で生きるということ?